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サウダードにこめられた希望 宮崎次郎の新作展、神戸大丸で開催
95年の昭和会賞受賞を機に本格的な作家活動をスタート。以後、個展、グループ展を通じて精力的な発表活動を展開、今では押しも押されぬ人気作家の一人となった洋画家・宮崎次郎さん。その展覧会が大丸神戸店で開催される。エスポワール(希望)をテーマに、0号から50号まで新作約30点を集めての発表会は、本誌連載『巴里の街角で』や画集刊行(『宮崎次郎画集』求龍堂)などを含め、近年の乗りに乗った仕事ぶりを反映するものとして注目される。
ところでそんな宮崎さんの作品世界は、この10年来、サウダード(Saudade)という聞き慣れない言葉をテーマとしながら取り組まれている。
「象II」 サウダードとはポルトガル語で境界、あるいは様々な懐旧の情などを指す多義語。
なるほどそう思えば画家自身が求め描く黄昏時のイメージへとたどり着く。昼と夜とが交錯する曖昧な一時。そこではサーカスの旅芸人や手品師、詩人などのボヘミアンがどこからともなく現われ、謎めいた物語を繰り広げる。そしてその現実とも幻想ともつかない情景は、しっとりとした憂愁のノスタルジーを湛えながら見る者に語りかける。薄暮の明りが希望の灯であるかのように。

「月刊美術」2006年 12月号「展覧会情報」P.181
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宮崎次郎