文化庁派遣の在外研修員として渡欧してきた宮崎次郎の個展である。
15,16世紀の絵画にひかれるとゆう画家は、はじめシュールレアリズム風の作調だったらしい。
いまは中世ヨーロッパを思わせるようなイメージに、幻想と素朴とが織りなす奇妙な寓話世界が広がる。
その色調は、赤黒いレトロ調で、たしかニスを塗り重ねることで得られる古色らしい。
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しのびよる不安な影をかかえた人間が、架空の町を舞台にして意味ありげな無言劇を演じているのだ。
その造形は、ロシア構成主義やイタリア未来派あたりをふまえ、アールデコ風の要約やデフォルメにも近い気がする。
物語の中に、毒素をしのばせたり、スリリングな夢の中の出来事にどんな寓意をこめているかは,いわぬが花らしい。
(篠)(2月16日〜24日/日動画廊)
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